アラハバキというのは、遠い昔の出雲の神よりもさらに前の日本で、信仰されている神の一柱のことです。
ただ、アラハバキという言葉だけをどこかで聞いたけど、いったい何の神様なんだろうとか、いろいろと気になって調べる人は多いのかなと思います。
なぜかというと、アラハバキという神様は日本各地に祀られているのですが、あまり詳しいことが知られていない謎の多い神様だからです。
遥昔から信仰されていた神様ということもあり、いろいろな説が言われていたりもしますね。
そこで今回はアラハバキとはいったいどんな神様なのかと、謎の真相についてご紹介します。
また、アラハバキという謎の神が全国の神社に祀られて信仰される理由や、宇宙人との関係など総合的な情報をお届けします。
目次
アラハバキとは何か?
アラハバキとは遥昔の時代から日本で信仰されている、日本の神様のことです。
アラハバキはもともと東北地方・東海地方を中心に庶民からの信仰が厚い神様であり、別名でアラバキと呼ばれることもあります。
また、漢字では「荒吐・荒覇吐・阿良波々岐・新波々木」など、様々な表記する場合もあるそうです。
他にも東北・東海地方だけで信仰されているわけではなく、今でもアラハバキを祀っている神社は全国各地にあり、客人神(まろうどがみ)として祀られている神社もあります。
客人神とはもともとその土地で祀られていた地主神が土地を奪われて、その後にきた神様に入れ替わってしまった状態のことです。
アラハバキの起源に関する謎とは?
日本には多くの神様がいますが、その多くは伝承とか書記などで伝えられています。
しかし、アラハバキは全国各地で祀られているにも関わらず、古事記・日本書紀などにも語られておらず、人によって多くの解釈や諸説が混合している神様です。
また、アラハバキは時代の中で姿を消していて、途中からどういった神様なのかもそのためはっきりとしていない部分も多いので、謎の神様としても知られています。
その中でもいくつかの説をご紹介します。
1.アラハバキは古代アラビア語から来た説
アラハバキの諸説の1つ目としては、古代アラビア語から来たという説です。
これはあくまでも諸説の1つではありますが、南アラビアのヤマン地方にある古代アラビア語に「アラハバキ」という言葉があります。
古代アラビア語ではアラハバキは「最高の神」というのを意味しているので、それが語源だという説ですね。
アラハバキはアラビアからまずインドに渡ってきて、そこから中国に広まってから日本に来たと言われています。
2.縄文時代の神様である説
アラハバキの諸説の2つ目としては、縄文時代の神様である説というものです。
古代の大和朝廷は自分たちの支配力を高めるために、縄文時代から信仰されていたアラハバキという神様を封印したという話もあります。
他にもその他にも国の土地を治めていた土着の神様である、国津神と出雲の神々を合体させたことで、信仰されていたアラハバキではなく別の神様として広まったという説もあります。
3.製鉄の神話という説
アラハバキの諸説の3つ目としては、製鉄の神話という説です。
アラハバキを祀っている神社の周りには砂鉄が取れる場所が多いという理由で、製鉄の神様ではない
アラハバキを祀った神社の近くに砂金や砂鉄の産地が多いことから、アラハバキは製鉄の神ではないかと言われています。
これを裏付ける根拠として上げられているのは、アラハバキを祀っている神社で有名な荒脛巾神社でハサミが多く奉納されていることですね。
また、アラハバキが描かれる際に片目の場合が多く、その姿が天目一箇神という製鉄の神様と似ていることからも、製鉄の神様ではないかと言われています。
4.遮光器土偶はアラハバキの姿である
アラハバキの諸説の4つ目としては、遮光器土偶はアラハバキの姿であるというものです。
遮光器土偶は青森県つがる市の亀ヶ岡遺跡で発見されたもので、重要文化財にも指定されています。
この遮光器土偶は東日流外三郡誌という歴史書内で、アラハバキについても書かれていますが、その姿が遮光器土偶に似ている姿をしています。
そのことから遮光器土偶はアラハバキの姿を模したものという話になったのですが、現在は東日流外三郡誌が偽書ということで落ち着いています。
5.アラハバキは宇宙人説
アラハバキは遮光器土偶の姿をしているという話をしましたが、その姿からなのか宇宙人ではないかという説ですね。
また、遮光器土偶の姿だけではなく、アラハバキを祀った神社の近くにストーンサークルがある場所があります。
このストーンサークルには様々な噂などがあり、その付近で宇宙人を見たという話があったり、宇宙人の基地があったなどの話もあります。
そういったところからアラハバキが宇宙人ではという説が出てきたのかもしれません。
アラハバキが祀られている神社やご利益とは?
アラハバキは東北地方に祀られている神社が多いですが、全国各地にもあります。
そこで今回はアラハバキを祀っている主な神社や、ついでにご利益などの情報をご紹介します。
アラハバキのご利益とは?
アラハバキのご利益には以下のものがあります。
・下半身に関連する病
・商売繁盛
・金運・財運
・交通安全
・学業成就
・安産祈願
アラハバキは下半身の神、足の神とも言われているので、下半身に関連する病などにご利益があるそうです。
その他にも製鉄の神様という説もあるので、金運や商売繁盛のご利益もあるということですね。
アラハバキを祀ってる主な神社
アラハバキを祀っている神社の中でも、主なものをご紹介します。
1.荒脛神社
荒脛神社は岩出山町下一栗字荒脛巾(現:大崎市)という、住所にも荒脛巾がついている場所です。
この神社は昔にこの土地に住んでいた住民が荒脛巾族の祖神であり、アラハバキを祀っていたと言われています。
2.氷川神社
氷川神社は東京・埼玉などを中心に多くの社を構えている神社であり、本社は埼玉県大宮にあります。
氷川神社の摂社には門客人神社というものがあり、この門客人神社はもともとの呼び名が「荒脛巾神社」と言われています。
また、現在は氷川神社の摂社ではありますが、それ以前にはアラハバキ神を祀る荒脛巾神社であったという説もあります。
3.荒脛巾神社
荒脛巾神社は宮城県多賀城市にあり、多賀城跡にあります。
この神社は名前の通り、荒脛巾を信仰している神社であり、ご利益として下半身の病気が改善されると言われています。
4.金吾龍神社
金吾龍神社は北海道小樽市にあり、現在は被災した関係で東京の代々木に分社を構えています。
金吾龍神社の本社の近くには古代の遺跡であるストーンサークルがあり、それを聖地としてアラハバキを信仰していたそうです。
5.洗磯崎神社
洗磯崎神社は青森県五所川原市にあり、荒吐神を祀った神社だと言われてます。
6.丹内山神社
丹内山神社は岩手県花巻市にある神社で、多邇知比古神をまつっていると言われています。
しかし、この神社の奥にはアラハバキ神の巨岩というものがあり、様々な伝説がある神社です。
まとめ
ここまでアラハバキとはいったいどんな神様なのかと、謎の真相や謎の神が全国の神社に祀られて信仰される理由など、総合的な情報をお届けしました。
アラハバキは謎の多い神様で、今でも解明されていないことが多いです。
今でも多くの人が研究や解明をしているぐらいなので、興味を持つ人も多いのかなと思います。
ただ、出雲の神よりも昔にずっと信仰されていた神様なのは間違いないことなので、それは凄いことだなと感じますよね。